「風立ちぬ」を見ましてね
19:00から「風立ちぬ」を見に行きました。母と…というか無理矢理連れて行きましたよ。
印象としては、難しいなって思いました。
映画を見る前から、ある先入観を持って見に行きました。
宮崎駿は戦争に反対だろう、ということ。
堀越二郎は、結果的には戦闘機を作ってしまったけれど、ただ飛行機を作りたかっただけの青年だろう、ひょっとしたらそれを苦しんでいたことが、描かれているのか?などと。
それが大きく覆された映画でした。
堀越次郎は、上品で、嫌みなく、誰からも好かれるような印象の青年。頭もよく、優しい。好みのタイプの人ですよ。
その青年は優秀で、上司からも一目置かれる存在。
好きな飛行機を一生懸命設計する。
…ただ、戦闘機を作る事を命じられているのに、特段の葛藤がないわけですよ。
正直作りたい飛行機は戦闘機じゃない、などの葛藤があるのかと思ったら、案外そこは描かれずに、あっさりその軍(国)からの命令に応えようとする。
そして、結婚を決めた女性が療養中でも、案外あっさりと仕事に邁進しちゃう…。
そこに、この映画の大きな意味があるのかな、と思いました。
圧倒的なリアリティ。
あの当時でも、本当に間違った事であっても、現実的にはその環境では、呑みこまれてしまう人がいる。それが人間だとでも言いたかったのでは。
戦争が終わってしまってから初めて、多くの人は、自分の家族が無駄に戦争に行ってしまったとか、無駄な戦争だったとか気づくけれど、渦中にいる人たちはそれが気づかない。
今を生きている私にも、それを教訓として知らしめているのかと。
呑まれながら生きていないか?
あの時代に生きていたとして、私は反旗を翻す事ができるのか?
できないんだよ、誰でも。
だからこそ、本当の事を知るには、生き続けるしかない、と。
深い映画だったな。
::ちなみに、お母さんの備忘録::
お母さんが映画館の重い扉に挟まれそうになりながらも、懸命に中に入ろうとしていたあの姿。忘れられない一コマでした。
あと、映画が終わる15分前くらいにおトイレって。。